2017年頃から、ちまたでは「働き方改革」という言葉がよく言われるようになりました。
日本は、サラリーマンの労働時間が先進国の中でダントツに長いといわれています。
しかしその反面、今や経済規模は先進国の中でダントツNo1というわけではない……これは要するに、働き方の効率が良くないからだ!「過労」や「ブラック企業」も問題になっている、何とかしなければ!
というわけで、政府主導で進められているのが「働き方改革」です。
労働者の待遇を改善し、無駄な残業をしなくていい、休日はきちんととれる、そんな働き方を目指していきましょうよと企業に呼びかけています。
この働き方改革、実はキャバクラを含む“夜の世界”にも広まりつつあります。
キャバクラのボーイといえば、そこそこ給料は良い代わりに、長時間労働で休みなしでこき使われ、情け容赦なく使い捨てられる……そんなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
確かに、“夜の世界”は“昼の世界”の秩序が届きにくいために、そのような「ブラック店舗」がまったく存在しないとはいえません。
また昔は、そのようなお店が実際に少なくなかったようです。
しかし今、状況は変化しています。
慢性的な少子高齢化で働ける人の数がどんどん減っている中、仕事を探す男性に「うちならクリーンな環境で働けますよ!」と呼びかけるキャバクラが増えています。
そして実際に、かつては考えられなかった好待遇を用意しているお店が見られます。
具体的には、どんな待遇が用意されているのでしょうか?
以下、その内容についてまとめてみました。
キャバクラは、基本的に年中無休や不定休が多いです。
午後6~7時くらいに開店し、閉店は日付が変わる頃。それを365日休まず続けていきます。
ボーイは、開店1時間前に出勤して準備をします。また閉店後も1時間ほど残って、店舗の清掃や備品の確認、ミーティングなどを行います。
昔は、ボーイの休日は年間通して10日以内で、それ以外の日はひたすらこき使われる、そんなお店も見られたようです。
またキャバクラは、法律によって深夜0時に閉店しなければならない(地域によっては午前1時)と決まっていますが、昔はこれを無視して深夜遅くまで営業を続けるヤンチャなお店もありました。
1年中休みなく働き、1日10時間以上の労働を強いられる、そんな店舗も少なくなかったわけです。
しかし最近では、社会全体で「コンプライアンス(法令遵守)」に厳しくなっていることもあり、法律にのっとった営業時間のお店が大半。ボーイの勤務時間は1日8時間程度となっています。
また、多くのキャバクラはシフト制を導入し、ボーイの休日を確保しています。
「週休1日以上」は当たり前。お店によっては、「完全週休2日制」のところもあります。
最近では、ボーイが「社会保険」に加入できるというキャバクラが増えています。
社会保険とは、健康で安定した生活を送るために必要なさまざまな公的サービスを利用できるというもの。具体的には、「健康保険」「厚生年金保険」といったものを指します。
老後の年金が増えたり、病院に行かなければならなくなったとき医療費が全体の3割で済んだり……。
これがあることで、より安心して日々の生活を送ることができます。
一般企業では、今も昔も、従業員が社会保険に加入するのは当たり前のこと。
その一方で、かつてキャバクラを含む“夜の世界”では「社保なし」のお店がむしろ一般的でした。
しかし、現在ではありかたが変化し、「社会保険完備」というキャバクラが増えています。
以上、「最近のキャバクラはボーイの待遇が良くなっている!」という内容でお送りしましたが、だからといってすべてのお店がそうであるとは限りません。
依然として、長時間労働や社保なしの「ブラック店舗」が見られるようです。
たとえば、知り合いの紹介か何かで、ロクに下調べもせずに面接を受けたら一発合格!ラッキーと思って働き始めたものの……実はブラック店舗だった、働くのがつらい、となってしまう場合もあります。
そのようなときには、どうすればいいのでしょうか?
結論から申し上げれば、そのようなブラック店舗はすぐに辞めてしまうのが正解です。
せっかく得た労働力を手放すまいと引き留めてくるかもしれませんが、
「急に実家に帰らなければいけなくなった」
「結婚を考えている相手に仕事を辞めてと言われた」
など、店側ではどうしようもない事情があることを伝えれば深くは追求してこないでしょう。